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施設養育の意義
(この仕事をめざそうとする方に)
会長 村岡薫
社会的養護に関係する施設のなかで、主に児童養護施設について書きます。
児童養護施設は、何らかの事情で家庭で生活することが難しいこどもたちの生活の場です。
イメージとして、家庭=よいもの、と捉えられることが多いので、施設での養育が家庭に劣ると語られることがありますがそれは違います。家庭は家庭、施設は施設、どちらにも良い場もあれば課題のある場もあります。
そして現代、家庭での子育て環境はずいぶんと変わってきました。
親子がともに何かをする時間、親以外とのいろんな大人との直接的な関わり、季節感を感じる行事、生活の必然としてのお手伝い、そういった日常が持ちづらくなっています。社会においても家庭においてもそれぞれが画面を見ている時間が増え、面と向かってやりとりをする機会が減り、人とのつながりが希薄なことに慣れてしまいました。画面の向こうの多くのことに簡単に繋がっていると思えるのですが、その実は結構危うく、儚い。直接的なやりとりのなかで心が通い合うという経験をすることがずいぶんと少なくなったように実感します。
施設養育は、とり組み方にもよりますが、薄くなってしまった「つながり」を生活のなかで経験して育っていける余地を多く残しています。つながりを感じられる場所は「居場所」となっていきます。「居場所」を感じることができることが、こどもが次のどこかにいったときに、またそこを「居場所」にしていく力を育くんでいきます。
家庭にいろんな家庭があるように、施設もそれぞれの空気感や大切にしようとしているものがあります。
施設の仕事を目指そうという方は、そこはしっかり見てください。
私たち施設もしっかりと見られないといけないと感じています。
また、「施設職員になりたい方へ」にも書きましたが、就職に際しては給与面や休日面が気になるのはあたり前ですし、大切なことではありますが、その比較だけで進むべき道を決めない方がいいです。高給取りになる仕事ではありませんが、生活が困窮してしまうという仕事でもありません。自分が何を大切にしたいのか、問い返してみましょう。
児童福祉施設に携わる大人が感じることのできる喜びは「こどもの成長」と「こどもの成長を通した自分の成長」なのかと思います。手間をかけ、手間をかけてもらい、たくさんの失敗を重ね(失敗をふりかえることが人を育てます)、損得ではないところでお互いに育ち合っていこうとする働きです。お金とお休みがたくさんあること以上に、心の豊かさを深めていく可能性をもつ施設養育の仕事は、「つながり」と「居場所」をこどもとともに大切にしようとする人たちに向いている働きだと自負しています。就職相談会等、機会を見つけて足を運んでみてください。
乳児院や児童自立支援施設、児童心理治療施設は、それぞれの特性のなかで大切にしているものがまた違います。
神児研の就職相談会には多くの施設が参加していますので、それぞれのとりくみを直接訊いてみてください。